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Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
高速回転中の青い惑星地球、負けじと走り回る一人の記録。
"JOJO RABBIT" 2019年 監督:Taika Waititi、主演:Roman Griffin Davis、Thomasin McKenzie、Scarlett Johansson、Taika Waititi、
 先月、高校教師をしている友人と談笑中、サン・フランスィスコ市内で行われた映画撮影のエキストラとして出演したと言う体験談が出た。彼の友人からの誘いで戦争映画の日本人兵士としてのその他多勢としての参加だったそうだが、その中に興味深い発言があった。
 「アッ、これは考えていてはダメなんだ」と思った瞬間があったと言う。どんな場面だったかと言うと、兵士軍団が行進する場面で、整列した全員が司令官の意のまま、彼の命令通りに前後左右に動かなければならないものだった。彼は、兵士の基礎訓練が行われる初期入隊訓練、通称ブート・キャンプ (Boot Camp>> 海兵隊「ブートキャンプ」、新兵の24時間 Aug. 25, 2019 (Business Insider)) を経ずして、リブート (Reboot = 再起動)状態に到達してしまったようだ。
 この話が興味深いのは、第一次世界大戦時に初めてサブマシンガン|短機関銃に遭遇したイギリス兵士の体験談をドキュメンタリー番組で見ていたからだ。既に96−7歳に達していたインタヴューイーは、司令官も兵士達もドイツ軍が率先して使用した短機関銃が何であるかを理解していなかったと話していた。
 短機関銃から降り注ぐ銃弾の中を、躊躇なく命令通りに進行する若き兵士たちは、恐怖を感じる事が無かったのか?とインタヴューアーから質問された数少ない生き残りの老人は、隊列を組んで進む仲間の兵士たちがバタバタと倒れる中、なんの恐怖も感じる事なく前進したと語っていた。
 そんな半ロボット状意識の「リブート」状態で日々を送ることの危険性を示唆しているのが、「ジョジョ・ラビット」とも言えるだろう。
 現在映画館で上映中の戦争映画には、第一次世界大戦を描いた「1917」と今日紹介する "JOJO RABBIT" がある:対照的な作りの「1917」はまだ観ていないが、喜劇仕立ての"JOJO RABBIT" は移動中の機内で観ることになった。 日本語公式サイト>> ジョジョ・ラビット

 ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)は10歳の幼い少年で、監督タイカ・ワイティティ演じる架空の存在「ヒットラー」との関係を支えに、当時の青少年兵師団ヒットラー・ユーゲントの兵士になるべく日々努力している。「ラビット」は、ユーゲントの訓練中、ウサギを殺す命令を遂行できなかった彼の優しさを嘲るためにつけられたあだ名だ。そんな息子の姿をスカーレット・ヨハンセン演じる母親、ローズィーが優しく見つめる日常が続いていた。
 絞首刑に処されたドイツ市民が吊るされたままの 街中の光景を黙って見つめる母親の姿を横から見上げるジョジョ。ユーゲントの訓練中、「ラビット」の汚名を晴らそうとしたのか、彼にしては過激な行動に出て怪我をしてしまうジョジョ。そして他の少年たちとは異なる活動に従事する事を余儀無くされたジョジョが家で過ごす時間が増えた頃、母親と暮らす家の屋根裏の一角に匿われている年上の少女を発見する。この辺りから、ジョジョの世界が大きく変化し始める。
 大好きな母と暮らす家に、彼が知らない間に匿われていたユダヤ人少女、エルサ(トーマスィン・マッケンズィー)の存在は、単純にヒットラーユーゲントの勇猛な兵士になる事を理想としていたジョジョの中に、微かな???感を湧き起こす。架空のヒットラーとのジョジョの関係も大きく変化し始める頃、彼の愛する母との世界も彼の愛する母国ドイツも "Point of No Return | 復帰不能点" に到達する。
 戦後75年が経過した今、世界は戦前に酷似した状況になっていると言われている。ドイツの大学で教鞭をとっていた友人は、戦後ドイツの学校教育では、偏向した愛国/国粋主義が蔓延らないようにと、古典教育が抑えられたと語っていたが、残念ながら、そのドイツも含めて、現況は狭量な「愛国、多様性排除」が世界的に蔓延しつつある。
 「ジョジョ・ラビット」は、コメディー調だが、近視眼的に世界を見ることに対する警鐘となっていると思う。お薦めの作品だ。

(3:40) Uploaded by SearchlightPictures on Oct 21, 2019:




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テーマ:映画情報 - ジャンル:映画

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